こんにちは。
今日はどのような事についてお話しいただけますでしょうか?
歯科のことについては、虫歯のことも、歯周病のことも、入れ歯のことも、インプラントのことも、いろいろとお話ししたいことがあるのですが、
今日はちょっと内容を変えて、先日患者さんに尋ねられたことをお話ししようと思います。
皆さん歯科治療をしている時に、先生が話していることで、疑問に思われることがなかったでしょうか?
むし歯を削って、金属で埋めるための準備をする時に「印象を採る」という言葉です。
ああ、そういえば聞いたことはありますね。
歯科の専門用語で、「歯の型を採る」ことを「印象を採る」と言います。
例えば私が、スタッフに「印象を採ってね!」っていう訳です。
患者さんに分かりづらいでしょうから、あまり言わないように心掛けてはいるのですが、つい言ってしまうこともあります。印象を採って、というのはそういう意味なのです。
歯型を採るのが非常に難しいケースもあります。
その様な時に、それを見て、「うーん、ちょっとこの印象は悪いなあ。」って言わないようにしないといけませんよね。患者さんの治療をして、印象が悪いって、どういうこと??
て、不思議に思われるかもしれませんから。
口の中にいっぱいに広がる、あのピンク色の、ぬるっとした粘土の様な、ガムの様な、その歯の型を取る材料を印象材と言います。
あの印象材の主成分はアルギン酸というものです。スケスダラのすり身をアルギン酸で固めたものがかまぼこですから、あのおいしいかまぼこと成分は同じなんです。
ええーっ、そうなんですか!
口の中にいっぱいになって、苦しいなあと思った時には「あのかまぼこと同じ成分なんだ。」と思ってもらえば、ちょっと楽に治療が受けられるかもしれませんね。
印象を採る時はいつもこの材料を使うのですね?
どこの歯科医院でもこれは共通なのでしょうね?
このアルギン酸印象材は、印象材の中では安い材料なのでよく使われますが、あまり精密に型を取ることはできないんです。精密に型を採るために歯科では、寒天を使います。
歯科医院で、型を取る時に少し熱い物が最初に入ることがありますが、それが寒天です。
「寒天持ってきて下さーい。」なんて、女の子が言っているのがそれです。
これも食用の寒天と同じで、原料は海藻ですから、万一のみこんでも心配はありません。
そうですか、それは精密に取るためだったのですね。
そして、もっと精密に型を採るためにはシリコンゴム印象材というのもあります。
陶器の歯を作るときとか、インプラントにかぶせる歯を作るときには最高に精密に印象が取れる材料を使うのです。
このようにして、今までよりも精密にぴったりと合う、違和感のない物をお口の中に入れられるように材料も進化しているのです。
そして、精密にとれる良い材料を使って、技工士さんの熟練の技で、本物の歯と変わらない様なものを作るために、歯科医師達は頑張っているわけです。
うちの技工士さんはとても腕がいいので、適合よく作ってくれますから、助かっています。
どうでしょう、印象を取るということについてお話ししましたが、他にもまた、専門用語で、わかりづらい、誤解しやすいような言葉があればご紹介したいと思います。
「バイト取っていて。」とか「エッチングしよう。」とか。まだありそうですよね。
にし歯科医院 院長 西 信太郎
|