歯をぶつけた時にどうするか?
歯をぶつけたとき、つまり外傷により歯を傷つけた時のお話です。
外傷といいましても、大きな交通事故だったり、スポーツ中の接触によって歯をけがすることもあります。あるいは小さい子供さんが公園でこける、家の中でもケガすることはありますよね。
そうですね。歯をぶつけるといってもその様な大変な事故もあるのですよね。
交通事故で、全身的なケガもあり、顎顔面にもけがをしたような場合は、私たち開業医のところに来られることは稀ですが、その場合はまず応急処置をして、佐賀大学医学部や、好生館などの大きな病院で診てもらうことになります。
骨折とかを伴わない場合で、歯がぐらぐらする、あるいは抜けてしまったという時は私たち開業医がしっかり応急処置をして、できるだけ残すように管理していくことになります。
それでは教えて下さい。
- まず出血している場合(歯肉が腫れている場合)
その様な場合は止血することが基本です。
唇や口の中の粘膜をきれいに流水で洗って、清潔なガーゼなどで止血します。
そして傷口が深く、開いているような場合には縫合する必要があります。
歯が動いていることがありますので、それを元に戻して固定することになります。
そうなのですね。歯が抜けたりすることもありますね。
- 歯が抜け落ちた場合。歯の脱落
歯が抜け落ちた場合に、歯を元の位置に植え直して、うまくいく場合があります。
まず歯の組織(歯根膜)が生きている短時間のうちに植え直すと予後が良好になります。
なので、歯の歯根膜を大事にしてきれいに洗って下さい。
それからその際には「歯の保存液」という市販されているものがありますので、その様なものがある場合にはそれがベストでしょう。なければ牛乳なども効果は高いようです。
乾燥させないということが大事です。
このようなことで歯の生存の可能性が高くなりますが、いずれにしましてもできるだけ早く歯科医院を受診されることをお薦めします。
もし歯が抜けてしまったとしても、このようなことで、自分の歯が残せるわけですから、もしお子さんが大泣きしていても、歯を探してあげて下さい。
歯を1本作るということになりますから、これは大きいですよ。
お金に換算するようなことではないですが、インプラント1本入れるのと変わらないわけですからね。
そうですか、そう考えると大事なことですね。
つい先日は幼稚園年中さんのお子さんでしたが、上の前歯を打って、歯がぐらぐらして、来院されました。
歯茎の出血は止まっていましたが、赤くはれた状態でした。
本人はちょっと痛いというだけで、全く平気なものでしたが、お母さんはやっぱり泣き出しそうなくらいに心配されてました。
レントゲンで、歯の状態を確認して、かみ合わせを見て、この場合は経過観察で大丈夫でした。その次に来ていただいた時は唇のキズが少し残っているだけで、すっかり良くなっていました。
幼稚園でトイレに行く時に、思い切り走って行って、壁にぶつかったそうです。
子どもは元気に動き回りますから、親御さんは大変ですが、仕方ないですね。
「もうケガしない様にしないといいかんよ!」と一応言いましたが。(^v^)
にし歯科医院 院長 西 信太郎
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